今日一日、一生懸命働き・学び、おやすみ前にお風呂に入るのは至福の時ですよね。
お風呂に入ることで、身体の疲れが癒されて、明日も頑張ろう!と思えます。
ちなみに、あなたはいつもどのタイミングでお風呂に入っていますか?
もしかすると、お風呂に入るタイミングによって、あなたの睡眠に良い又は、悪い影響を与えるかもしれません。
ということで、今回は、「お風呂の入り方が睡眠を変える!90分前が理想的なワケ」について、解説させていただきます。
最後までご覧いただければ、大変嬉しいです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
睡眠と深部体温の関係
「睡眠とお風呂の関係性」について説明する前に、深部体温について詳しく説明します。
人間の体には、「皮膚温」と「深部体温」という二つの体温が存在します。
皮膚温は、体表の温度を指し、体温計で測ることができる温度です。
一方、深部体温は体の内部の温度を指します。
深部体温は、脳や内臓、筋肉などの活動によって生じる熱を含んでいます。
通常、日中は体の中心部に血液が集まり、深部体温が上昇します。
これは、脳や臓器が活発に働くためのエネルギー供給として血液を集中させるためです。
その結果、皮膚温は下がる傾向にあります。
一方、夜になると脳や臓器の働きが落ち着き、休息のために血液が体表に戻ります。
このとき、皮膚表面で冷やされた血液が体内に戻り、効率的に深部体温を下げることで体をクールダウンさせようとします。
そのため、夜に手足がポカポカしてくることがあります。
これは、眠りの準備が整っている合図でもあります。
深部体温の変化が睡眠にどのような影響を与えるかというと、深部体温が下がることで眠りの状態に入りやすくなります。
人間の体温は通常、36〜37℃程度ですが、この体温よりも大きく上げ下げされると眠気を感じるようになります。
そのため、入眠前の1時間程前に、深部温度は、約0.3~0.6℃下がります。
加えて深部体温は、上昇させることでその分だけ下がる傾向があります。
そして、運動や入浴が深部体温の上昇を促す要素となります。
それでは、次に「睡眠とお風呂の関係性」について詳しく説明します。
睡眠とお風呂の関係性
さて、いよいよ、「睡眠とお風呂の関係性」についてお話しします。
先ほど、少しお話ししましたが、人間の体温は深部体温が上昇するほど、それを下げようとする働きがあります。
深部体温を上昇させる方法として、お風呂に入ることが効果的です。
例えば、40℃のお風呂に10~15分浸かると、年齢によりますが、1~1.5℃体温が上昇します。
つまり、普段の体温が36.5℃の人であれば、入浴することで、最大37.5~38℃まで体温が上がるのです。
そして、入浴後は急激に体温が低下していきます。
それを表したグラフが↓になります。
※上記図は、BRAIN SLEEP 睡眠コラム「第7条 就寝90分前に入浴完了/すぐ寝るときはシャワーにする」を参考に筆者作成
実は、入浴後の体温の低下速度は、入浴をしなかった場合に比べて大きくなります。
つまり、入浴前よりも入浴後の体温の方が高く、その後急激に下がっていくのです。
この急激な体温の変化こそが、入浴の効果の一つです。
人間は、体温が大きく上昇した場合、それ以上に大きく体温を下げようとする働きが働きます。
そして、入浴によって深部体温の落差が大きくなるほど、人間はより眠りやすくなるのです。
そのうえで、夜の睡眠をより良いものにするためには、入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間に注意が必要です。
そこで、次は「睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間、」について詳しくご説明します。
- BRAIN SLEEP 睡眠コラム「第7条 就寝90分前に入浴完了/すぐ寝るときはシャワーにする」
睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間
「睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間」について説明します。
まず、「入浴のタイミング」です。
入浴のベストなタイミングは、寝床に入る90分前です。
なぜなら、入浴による体温上昇がもとの体温よりも下がるには90分の時間が必要だからです。
寝床に入る少し前に入浴すると、体温が下がりきらず、身体が火照った状態となり、交感神経がまだまだ優位となります。
その結果、入眠時間が長くなったり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。
次に、「入浴温度」です。
睡眠にとってベストな「入浴温度」は、40℃~42℃とされています。
ですが熱いお風呂に入ると、交感神経が刺激されて睡眠の質が低下することがあります。
一方で、低すぎる温度だと風邪をひいてしまったり、身体の血行が改善されず、リラックス感を得にくくなります。
そのため、心地よいリラックス効果を得るためにも、適切な温度を保つようにしましょう。
※ただし、人によって熱いと感じる温度は異なります。
そのため、40~42℃であっても、熱いと感じる場合は、入浴している温度を0.5~1℃下げて入るようにしましょう。
最後に、「入浴時間」です。
睡眠にとってベストな「入浴時間」は、10分~30分です。(入浴温度は40~42℃の場合)
できれば、身体の芯から十分に温まるのであれば、15分~20分はゆっくりと湯船につかりたいところです。
※ただし、時間にこだわりすぎて、入浴中に体調の異変を感じた場合は、すぐにお風呂から上がるようにしましょう
以上が、「睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間」についての説明になります。
お風呂に入る時間がない場合にはどうしたら良いか?
ただし、そうは言っても、毎日の生活は忙しくて、お風呂にお湯を溜めて入浴する時間がないという人もいるでしょう。
そんな方には、以下の2つの方法を試してみることをおすすめします。
- 首の後ろに少し熱めのシャワー
- 足湯
首の後ろに少し熱めのシャワー
まずは、「首の後ろに少し熱めのシャワー」です。
これは、ほんの少し熱いと感じるくらいの温度で、やや強めの水圧のシャワーを首の後ろに当てるという方法です。
首には血管や神経が集まっており、首を温めることで血流を促進し、自律神経を整える効果があります。
これにより、筋肉の緊張がほぐれ、疲労感が軽減されます。
また、副交感神経が優位になり、リラックスできる状態になります。
ただし、熱すぎるお湯を使ってしまうと、交感神経が刺激されて緊張や興奮状態になってしまうので注意が必要です。
適度な温度(少し熱めで心地よいと感じる温度)と時間(約10分程度)で行いましょう。
足湯
次に紹介するのは「足湯」です。
足湯の目的は、足の血行を促進し、熱放散を活発にすることです。
足は表面積が大きく、毛細血管が発達しているため、体温の調節や熱放散に重要な役割を果たしています。
足湯によって足の血行を良くし、熱放散を促すことで、入浴と同様の効果を得ることができます。
足湯による血行促進は、冷え性の改善やリラックス効果、不眠の解消に効果的であり、さらにむくみの改善や免疫力の向上にも役立ちます。
ただ、足湯をするためにはお風呂に湯を張る必要があると思われるかもしれませんが、実は「フットバス」と呼ばれる商品を使用すれば、お風呂に湯を張らずに手軽に足湯を楽しむことができます。
その他の睡眠の質を上げるお風呂の知識
最後に、これまで説明させて頂いた睡眠とお風呂に関する知識とは別に、参考になる知識についてご紹介します。
- 浴室の電気は消す
- たまには温泉に入るのもあり
- 市販の炭酸入浴剤で眠りがよくなるかも
浴室の電気は消す
さて、まずご紹介するのは「浴室の電気を消す」という方法です。
お風呂に入る際には、できるだけ光刺激を減らし、メラトニンの分泌を促すために、浴室の電気を消すことをおすすめします。
もちろん、浴室が暗すぎると何も見えなくなってしまうかもしれません。
しかし、脱衣所の電気をつけておくだけでも、十分な明るさを確保できます。
ただし、視力が悪い方や、暗い環境でのケガの心配がある方には、この方法はおすすめできません。
安全を最優先に考えてください。
もし、浴室の電気を消すことに抵抗がある場合は、少なくとも昼光色や昼白色から、電球色に変えるようにしてみてください。
これにより、眠りの質に与える影響を抑えることができます。
たまには温泉に入るのもあり
次に、「たまには温泉に入るのもあり」という内容をご紹介します。
日常のお風呂での入浴もリラックス効果がありますが、たまには温泉に行くこともおすすめです。
温泉には、天然の温泉成分が含まれており、お湯の中に浸かることで身体が芯から温まります。
温泉の効能は様々で、疲労回復や血行促進、神経のリラックス効果などが期待できます。
また、自然の中での温泉を楽しむことで、心も癒されるでしょう。
加えて、温泉浴は普通浴(普段のお風呂)よりも深部体温を大きく上げることができるため、その後の深部体温の低下との落差をつけられることから、睡眠の質をより高めることができると考えられます。
もちろん、温泉地に行く時間や予算を確保することは難しいかもしれません。
しかし、日帰り温泉施設や近くにある温泉を訪れることもできます。
日常の疲れを癒すために、たまには温泉を利用してみてください。
心身ともにリフレッシュできること間違いありませ私が
どこかおすすめの温泉がないかと悩んでいる方に向けて、以前、わたしが訪れた山梨の「ほったらかし温泉」にかんする記事も参考までに記載いたします。
合わせてご覧ください!
市販の炭酸入浴剤で眠りがよくなるかも
最後に、「市販の炭酸入浴剤で眠りがよくなるかも」という内容をお伝えします。
炭酸入浴剤は、お風呂に入れることで発泡し、爽快感をもたらします。
炭酸の微細な気泡が肌に触れることで、血行促進や新陳代謝の活性化を促し、リラックス効果をもたらします。
さらに、炭酸の刺激によって副交感神経が優位に働き、リラックス状態に導かれることで、入眠のサポートとなる可能性があります。
加えて理論上、市販の炭酸入浴剤を入れたお風呂に入ることで、深部体温の上昇に関して、温泉と同程度の効果を得られると考えられています。
市販の炭酸入浴剤は、手軽に入手することができます。
お気に入りの香りや成分を選んで、お風呂に入れるだけで効果を実感できるでしょう。
中でもおすすめの商品は、「BARTH(バース)」です。
疲労回復、肩こり、腰痛、冷え症改善など、多くの効能があるとしてさまざまな用途で活用されています。
ただし、個人によって合う合わないがありますので、最初は少量から試してみてください。
また、肌トラブルやアレルギーのある方は、使用前に医師に相談することをおすすめします。
炭酸入浴剤を取り入れることで、入浴の時間がよりリラックスできるものになるかもしれません。
良質な睡眠を求める方には、一度試してみる価値があります。
まとめ・復習
お風呂は日常生活の中で大切なリラックスタイムです。
適切な入浴方法を実践することで、良質な睡眠を促し、健康な生活をサポートすることができます。
これまでお伝えしてきた重要なポイントを振り返りましょう。
今回は、
- 睡眠と深部体温の関係
- 睡眠とお風呂の関係性
- 睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間
- お風呂に入る時間がない場合にはどうしたら良いか?
- その他の睡眠の質を上げるお風呂の知識
という内容で、睡眠とお風呂について説明しました。
「睡眠と深部体温の関係」では、人間の体には、1.皮膚温と2.深部体温という二つの体温が存在することを説明し、中でも2.の体温の上げ下げが睡眠にとって重要であること学びました。
「睡眠とお風呂の関係性」では、入浴によって2.が大きく上げ下げされることで眠りの状態に入りやすくなることを学びました。
「睡眠に良い影響を与えるベストな入浴のタイミング、入浴温度、入浴時間」では、以下のことを学びました。
- 入浴のベストなタイミング ⇒ 3.寝床に入る90分前
- 入浴温度のベスト ⇒ 4.40℃~42℃
- 入浴時間のベスト ⇒ 5.10分~30分(できれば15~20分くらいは入浴したい)
「お風呂に入る時間がない場合にはどうしたら良いか?」では、お風呂に入っている時間がない人向けに以下の方法も提案させて頂きました。
- 首の後ろに少し熱めのシャワー
- 足湯
シャワーは手軽に行えそうですが、足湯は難しそうと感じる方に向けに、手軽に足湯ができるフットバスをご紹介させて頂きました。
最後に「その他の睡眠の質を上げるお風呂の知識」では、以下のことを学びました。
- 浴室の電気は消す
- たまには温泉に入るのもあり
- 市販の炭酸入浴剤で眠りがよくなるかも
「浴室の電気は消す」のは、6.メラトニンの分泌を促すことが狙いです。
「たまには温泉に入るのもあり」は、温泉には疲労回復や血行促進、神経のリラックス効果だけでなく、普段浴よりも2.を大きく上げ下げできるので、睡眠の質を向上させることができます。
「市販の炭酸入浴剤で眠りがよくなるかも」は、温泉浴と同様に血行促進や新陳代謝の活性化を促し、リラックス効果を得られる可能性もあることを学びました。
また、自宅にいながら理論上、温泉浴と同様に普通浴よりも、2.の温度を大きく上げ下げできる可能性があり、睡眠の質を向上させることができることを合わせて学びました。
オススメの市販入炭酸浴剤として、「BARTH(バース)」をご紹介させて頂きました。
今回の紹介はここまでとさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
記事が「良いね」と思った方は、人に紹介していただけたら嬉しいです!
これからも、皆さんのお役に立てるよう精一杯記事を書かせていただきます。
今後とも、よろしくお願いします。
「記事の執筆者の紹介」→プロフィール
コメント