【睡眠】本当はヤバイ一瞬の居眠 マイクロスリープの恐怖

【睡眠】本当はヤバイ一瞬の居眠-マイクロスリープの恐怖

あなたは、日中にウトウトして、ふとしたときに数秒だけ寝てしまった・記憶がないといったことはありませんか?

例えば平日の昼間、仕事中に耐えがたい睡魔におそわれて、数秒だけこっくりと寝てしまったなど。

ただ仕事が退屈過ぎた、つまらなすぎたといった理由から集中力が続かなかっただけかもしれません💦

ただ、その数秒だけ寝てしまう生理現象は、もしかすると「マイクロスリープ」と呼ばれるものかもしれません。

そして、その「マイクロスリープ」、実は思ったよりもヤバイ生理現象かもしれません。

今回はそんな「マイクロスリープ」について紹介します。

この記事を読むことで、

  • マクロスリープとは何か?
  • マイクロスリープの危険性
  • マイクロスリープの解消法

について理解できます。

それでは見ていきましょう!

目次

マイクロスリープとは

さて、先ほども出てきた「マイクロスリープ」とは一体何でしょうか?

Wikipediaの概要を引用すると以下となります。

マイクロスリープとは、短ければ数分の一秒、長くても30秒程度睡眠状態に陥ることを指す

Wikipedia「マイクロスリープ」より

あなたも一度くらい経験したことあるかもしれませんが、1日眠らずに徹夜してしまったときの翌日、ふとした瞬間に寝てしまう・記憶がなくなる。

これは、もしかするとマイクロスリープかもしれません。

マイクロスリープがどのようなモノか知るために有名な実験として、アメリカで行われた「夜勤明けの医師と、夜勤なしの医師の翌日の覚醒度を測る実験」があります。

この実験では、タブレット画面に丸い図形が90回ランダムに5分間映し出され、図形が出るたびにボタンを押すという単純な作業を行うというものでした。

その中で、夜勤なしの医師たちは問題なく90回ボタンを押すことができました。

一方で、夜勤明けの医師は90回のうち3,4回ほど数秒間、図形に反応しないときがありました。

この「数秒間、図形に反応しなかった」言い換えれば、ほんの数秒間居眠りしていた生理現象こそ、「マイクロスリープ」になります。

「マイクロスリープ」がどんなものかはわかったけど、ほんの少しの居眠りくらい誰でもするし、大したことないんじゃないの?

確かに仕事で事務作業しているときや、自宅でくつろいでいるとこに、ほんの少し居眠りするくらいであれば大きな問題とはなりません。

しかし、もしこれが車の運転中に起きてしまったらどうなるでしょうか?

仮に時速60キロで運転をしていて、4秒間のマイクロスリープが起きると、70メートル近く目をつむって車を運転していることになります。

それがどれほど危険かというのは、車を普段運転しない人でもわかって頂けるかと思います。

ただ、それでもやはり大したことない、と感じてしまう方もいるかもしれません。

なので、次に「マイクロスリープによって起きた事故の事例」について紹介します。

マイクロスリープによって起きた事故の事例

では「マイクロスリープによって起きた事故の事例」を2つ紹介します。

長野県松本市鉢伏山山中 救助ヘリ墜落事故 2017年03月05日

まず紹介するのは、2017年03月05日に長野県松本市鉢伏山山中で訓練中の救助ヘリが墜落した事故についてです。

事故の概要は、

長野県消防防災航空センター所属ベル式412EP型JA97NAは、平成29年3月5日(日)13時33分、救助訓練を行うため、松本空港を離陸し、長野県塩尻市内山中の場外離着陸場に向かって飛行中、13時41分ごろ、同県松本市鉢伏山において樹木に衝突した後、山の斜面に墜落した。

運輸安全委員会 報告書番号AA2018-8-1

この事故では、機長を含め9名の方が亡くなりになりました。

原因は、搭乗者全員が亡くなってしまったため、明確には分かっていません。

しかし、挙げられている原因の中に「マイクロスリープ」に関連することが書かれています。

同機が地上に接近しても回避操作が行われなかったことについては、疲労や時差の影響
でマイクロスリープに陥るなど機長の覚醒水準が低下した状態となっていたことにより危険
な状況を認識できず回避操作を行わなかったことによる可能性が考えられるが、実際にそ
のような状態に陥っていたかどうかは明らかにすることができなかった。

運輸安全委員会 報告書番号AA2018-8-1

なぜそのような原因が挙げられたのかというと、機長は年間に300時間以上をフライトするベテランであり、その時の訓練も特段負荷のかかるようなものではなかったからです。

一方で、事故が起こる6日前に10日間の海外旅行を終えて帰ってきたばかりで、東向きに7時間の移動を行ったことから、概日リズムが乱れていた可能性、要は海外旅行へ行った時の時差ボケが解消されていなかったのではないかということです。

そして、そこにアフタヌーンディップ(昼の強い眠気)が加わり、マイクロスリープが発生したのではないかと思われるようです。

今回の事故ではマイクロスリープが明確な原因であると結論づけれてはいません。

ですが、事故の原因である可能性が非常に高いことが示唆されています。

兵庫県尼崎市内 大型トラック玉突き事故 2021年7月31日未明

次に紹介するのは、兵庫県尼崎市内で起きた大型トラックの玉突き事故です。

元記事は「トラック居眠り運転、若い命奪う 長い休憩取らず750キロ 県道交差点で玉突き、6人死傷事故

事件の概要としては、

兵庫県尼崎市内で7月、40代の男が大型トラックを運転中、乗用車など4台が絡む玉突き事故を起こし、男子大学生1人を死亡させ、男女5人に重軽傷を負わせた。
原因は「居眠り運転」。神戸地裁尼崎支部は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮3年を言い渡した。
公判から見えてきたのは、賃金のためにうその休憩を会社に報告してまでも運転を続けていたという実態だった。

神戸新聞「トラック居眠り運転、若い命奪う 長い休憩取らず750キロ 県道交差点で玉突き、6人死傷事故

事件の概要にもある通り、男子大学生が1名亡くなり、他にも男女5人に重傷を負わせるという大きな事故でした。

事件発生までの経緯は、

①7月30日午前7時ごろ、トラック運転手の男性が福岡市内で荷物を自身のトラックに積み込み、昼ごろに出発して尼崎市へ向かう。

②同日夜、中国自動車道で眠気を感じ、西宮市の「西宮名塩サービスエリア」で休憩しようと考えたが電光掲示板に「(駐車場)満車」の文字が見え、目的地までもうすぐだったので、「到着したから休憩しよう」と考えて運転を続けた。

③31日午前0時50分ごろ、激しい眠気に襲われ、一時的に気を失うも、休まず、その十数分後、尼崎市の一般道を走りながら、再び気を失い、事故を起こす。

この③に「激しい眠気に襲われ、一時的に気を失うも」と「再び気を失い」と記載があります。

恐らくこの時に「マイクロスリープ」が発生していたものと思われます。

このトラック運転手の男性は、事故を起こすまで一度も休憩をとっていなかったようです。

7月30日の朝7時頃に荷積みを開始したということは、起床はその1~2時間と考えられます。

すると、起床時刻はAM5:00~AM:6:00となり、寝起きから事故を起こすまで、最大で約20時間程度起き続けたことになります。

そのため、睡眠圧も相当高まっており、加えて、休憩なしの運転を12時間程度続けていたと思われるので、脳も相当疲れていたのではないかと思われます。

それらが重なり「マイクロスリープ」が起きて、今回の凄惨な事故が発生してしまったと考えられます。

マイクロスリープを起こさないための方法

では、「マイクロスリープ」を起こさないためにはどうすればいいのでしょうか?

それは、とにかく夜にしっかり寝るです。

というのは、さすがに怒られてしまいますね💦

ただし、もっとも効果的な方法は、「夜にしっかり寝ること」であるのは間違いありません。

というのも、マイクロスリープは睡眠負債がたまりにたまったことで起きる、脳の防衛反応と言われているからです。

そのため、睡眠負債をためすぎないようにするためにも、「夜しっかり寝る」ということが、「マイクロスリープ」を防ぐための最善策と言えます。

ただ、難しいのは「ただ寝ればいい」という睡眠時間を重視した睡眠ではダメということです。

最も重要なのは「質の高い睡眠をとる」ことです。

では「質の高い睡眠」とは、なんでしょうか?

それは、「寝始めから約90分を最も深く寝ること」です。※「90分」は目安です。人によって「120分」の可能性もあります。

そのために、「寝酒をしない」「激しい運動をしない」「動画を観たりして脳を興奮させない」など、就寝前にできることは多くあります。※これについては、解説をすると非常に長くなるため、今後、別記事で紹介させていただきます。

そして、「寝始めから約90分を最も深く寝ること」で睡眠の質を確保した状態で、人によりますが7~8時間程度の睡眠は確保したいところです。

もし、7~8時間の睡眠が確保できていない方は、一度、就寝前にしていることを見直してみましょう。

もしかすると、睡眠時間を削ってしまう習慣があるかもしれません。

それらの習慣が本当に「今やるべきことか?」また「睡眠時間を削ってまでやるべきことか?」自問してみましょう。

もし不要な習慣であれば、睡眠時間確保のためにも止める決断をすることをオススメします。

そうすることで、普段から睡眠負債をためないようにすることで、「マイクロスリープ」を防ぐことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、「本当はヤバイ一瞬の居眠 マイクロスリープの恐怖」という内容で、「マイクロスリープ」について解説させていただきました。

「①マクロスリープとは」では、マイクロスリープがどのようなものか、そして、マイクロスリープに関する有名な実験について解説しました。

「②マイクロスリープによって起きた事故の事例」では、マイクロスリープが起きたことによる凄惨な事故について2つの事例を紹介しました。

「③マイクロスリープを起こさないための方法」では、マイクロスリープを起こさない方法を解説しました。特に「夜にしっかり寝る」ために、普段の生活から睡眠を削らない重要性についても解説しました。

マイクロスリープは、脳からの警告と言えます。

普段の生活を改善することでマクロスリープの発生を防ぐことは可能です。

しかし、「普段の生活を改善してもマイクロスリープが発生する」「普段から頻繁にマイクロスリープが発生している」という方は、一度、自宅近くの睡眠外来のある病院を受診することも検討しましょう。

SHIN
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以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が「良いね」と思った方は、人に紹介していただけたりしたら嬉しいです!

これからも、皆さんのお役に立てるよう精一杯記事を書かせていただきます。

今後とも、よろしくお願いします!

「記事の執筆者」

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SHINのプロフィール(2023.7.30時点) こんにちは! 私は現在睡眠について専門的に学び、SHIN睡眠ブログの運営して、情報を発信しているSHINと言います。 本記事では、このブログについてと、私のプロフィー...

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この記事を書いた人

快眠セラピスト+安眠インストラクター+東京都で企業戦士をしているブロガー!
大好きな筋トレや、睡眠に関する勉強とブログを執筆中。
今後とも、よろしくお願いします!

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