ふー今日も仕事頑張ったなー
頭もすごく使って疲れたし、こういう時は、甘いものに限るよね!
ちょうどチョコレート買ってきたし食べようかなー
という方がいたらちょっと待ってください。
もしかすると、その今食べようとしてチョコレートが、実は夜の本睡眠の質を下げているかもしれません。
そうなんですか💦
でも、なんでチョコレートを食べることが、夜の本睡眠の質を下げてしまうかもしれないんですか?
実は、チョコレートにはカフェインが含まれています。
そのため、夜にチョコレートを食べると睡眠の質を下げてしまうかもしれません。
そして、意外と知られていませんが、チョコレート以外にもカフェインが含まれている飲食品についてはあまり知られていません。
ということで、今回は、何気なく食べたり飲んだりしている食品に、カフェインが含まれることについてご紹介します。
それでは見ていきましょう!
そもそもカフェインとは?
まず、カフェインが含まれている飲食品をご紹介する前に、そもそもカフェインについて学びましょう
あなたは、カフェインについて、どのようなことをご存じですか?
カフェインといえば、飲んだら目が覚めるくらいのことしかわからないです。
確かに、カフェインの効果として最もよく知られている効果は、飲んだら目が覚める(いわゆる「覚醒作用」)が良く知られていますよね。
ただ、それ以外にも様々な効果があります。
まず、Wikipediaだと、どのような説明がされているでしょうか。一部抜粋致します。
カフェイン(英語: caffeine)は、アルカロイドの1種であり、プリン環を持ったキサンチンと類似した構造を持った有機化合物の1つとしても知られる。ヒトなどに対して興奮作用を持ち、世界で最も広く使われている精神刺激薬である[10]。カフェインは、アデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用[11]を示す。
Wikipedia「カフェイン」より
少し分かりずらいですが要約すると、
興奮作用、覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用がある有機化合物で、世界で最もよく使われる精神刺激薬。
となります。
上記は、カフェインの効果の面から見た説明になります。
一方で、その他の資料も参考にしてみましょう
下記は、食品安全委員会(内閣府)発行のファクトシートでの説明になります。
カフェインはコーヒー豆、マテ茶を含む茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分の一つです。
食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」より
要約すると
カフェイン=食品成分
となります。
そんなカフェインですが、効果についてもう少し詳しく見ていきましょう。
カフェインの効果
先ほどのWikipediaの解説にも書かれていたように、カフェインには4つの作用があります。
- 覚醒作用・興奮作用
- 解熱鎮痛作用
- 強心作用
- 利尿作用
1.覚醒作用・興奮作用
上記の中でも、一番最初に思いつく効果としては「覚醒作用・興奮作用」かと思います。
まず、なぜカフェインには「覚醒作用」があるかというと、という前に私たちがなぜ眠くなるのか、について少し補足しておきます。
私たちが眠たくなる理由には以下仕組みがあるからです。
- 起きている間、脳内で「アデノシン(睡眠物質・神経伝達物質)」が生産・蓄積される
- アデノシンが「アデノシン受容体」がレゴブロックのように結合する
- アデノシンとアデノシン受容体の結合量が増えると、神経細胞の活動が抑制される
- 眠くなる
※なぜ神経細胞が抑制されると眠くなるのかについては、研究中です。
「神経細胞の活動が抑制→脳内の覚醒中枢が抑制→眠気が引き起こされる」という説や、「アデノシンが細胞内の代謝物質を調節→脳内のエネルギー供給を抑制→眠気を引き起こされる」という説があります。
眠くなる仕組みが分かったところで、カフェインにはなぜ覚醒作用があるのかご説明します。
ズバリ、カフェインは「アデノシン」似た構造をしているからです。
カフェイン自体には覚醒効果はありません。
しかし、カフェインがアデノシン受容体に結合することによって覚醒効果が生まれます。
というのも、先ほどもご説明した通り、眠気は睡眠物質であるアデノシンがアデノシン受容体に結合することで生じます。
そして、カフェインはアデノシンよりも、アデノシン受容体に対して高い親和性(結合しやすい)を特性を持っています。
つまり、少し語弊を招いてしまうかもしれませんが、カフェインがアデノシンよりも優先的にアデノシン受容体と結合してしまうことで、結果的に覚醒効果が生まれます。
以上が、カフェインに覚醒効果があると言われるゆえんです。
一方「興奮作用」については、ここでもアデノシンとアデノシン受容体に結合の結合がキーとなります。
アデノシンとアデノシン受容体が結合することで、神経を興奮させる神経伝達物質であるグルタミン酸やドーパミンなどの分泌が抑制され、神経細胞の活動が低下します。
しかし、カフェインがアデノシン受容体と結合することで、その作用を阻害します。
その結果、大量の神経を興奮させる神経伝達物質が、神経細胞へ放出されることで、脳を興奮させることになります。
以上が、カフェインに「興奮作用」があると言われるゆえんです。
2.解熱鎮痛作用
次に「解熱鎮痛作用」です。
まず「鎮痛作用」についてですが、カフェインは中枢神経系に作用して、神経伝達物質の放出を促進することで、鎮痛効果を発揮します。
また、カフェインは血管を収縮させる作用があるため、頭痛を和らげる効果も期待できます。
一方「解熱作用」ですが、実は、カフェインが解熱作用を持つ理由は、まだ完全には解明されていません。
しかし、脳内の体温調節中枢に作用して、体温上昇を抑制することが一つの要因として考えられています。
その理由は、カフェインが覚醒作用と同様にアデノシン受容体に結合することで、アデノシンによる体温上昇を抑制する効果を持つとされているからです。
ちなみに、カフェインは「解熱鎮痛薬」としても使われています。
皆さんも一度は聞いたことはあるかもしれませんが、「イブクイックDX」や「エスタックイブNT」といったOTC医薬品(市販薬)にも「無水カフェイン」という形で混入されています。
3.強心作用
次は「強心作用」です。
カフェインには、一定量まで摂取すると強心作用があるとされています。
強心作用とは?
心筋を収縮させる作用のことで、心臓の収縮力を増強する効果があります。
そして、カフェインの強心作用には以下のようなものがあります。
No. | 効果 | 詳細 |
---|---|---|
① | 心拍数の増加 | カフェインは交感神経を刺激する作用があり、心拍数を増加させます。 心拍数が増えることで、心臓の血液の送り出し量が増加し、血圧も一時的に上昇することがあります。 |
② | 心筋の収縮力の増強 | カフェインが心筋細胞に作用すると、カルシウムイオンの流入を促進し、心筋の収縮力を増強します。 この効果により、心臓の拍動がより強くなり、血液の送り出し量が増加します。 |
③ | 血流量の増加 | 心拍数の増加や心筋の収縮力の増強により、血液の流れがスムーズになり、全身の血流量が増加することがあります。 |
上記のような効果があることから、
もしかして、筋トレに有効なのでは?
と思った方もいるかもしれませんが、なんとも言えません。
カフェインの強心効果によって、一時的には筋力やスタミナが向上することがあるとされています。
しかし、効果は個人差が大きく、摂取するカフェインの量や自分自身の体質(カフェインとの相性)によって異なるため、一概には言えないからです。
例えば、コーヒーなどのカフェイン飲料を摂取すると体調を崩すといったようなカフェインアレルギーの人が、「筋力やスタミナが向上するから摂取した方が良いんだ!」と思ってカフェインを摂取しても、思ったような効果を得られるどころか、最悪の結末を迎えることになるでしょう。
また、カフェインは、過剰な摂取や長期的な使用により、逆に心臓の機能低下を引き起こす可能性があります。
そのため、人によっては適切な量と使用期間について医師の指導を受けることが望ましいです。
また、心臓病や高血圧などの持病がある場合には、特に注意が必要というよりも、摂取は控えるようにしましょう。
- 健達ねっと「カフェインの摂りすぎによる症状とは?摂取目安や注意点も紹介!」
- ナガハマコーヒー「カフェインについて」
- 糖尿病ネットワーク「コーヒーが糖尿病リスクを低下 コーヒーを飲むと血流が増加」
4.利尿作用
カフェインの最後の作用は「利尿作用」です。
コーヒーなどを飲むとトイレが近くなることが多くなるので、ご存じの方も多いかと思います。
その要因としては、以下のことが挙げられます。
- カフェインがアデノシン受容体に結合することで、cAMP濃度が上昇し、糸球体の血管が拡張する。
- 糸球体の血管が拡張することで、糸球体に流入する血液量が増え、結果的にろ過するものが増える。
- カフェインがアルドステロンの分泌を抑制することで、ナトリウムと水分の再吸収が抑制される。
- カフェインが腎臓の尿細管に直接作用することで、尿細管の透過性が増す。
要約すると
- カフェインが血管を拡張
- ろ過するものが増える
- 水分の再吸収が抑制(再吸収されない=尿となる)
- 透過量が増す=血液から尿への物質移動が促進され、尿量が増える
以上となります。
上記内容を詳しく知りたい方は、生理学や薬理学といった分野の勉強をするといいでしょう。
ただ、医学関係を勉強したことない方が学ぼうとすると、心を折られるかもしれません。理解するには、かなり難しい内容となっています💦
また上記以外にも、疲労回復効果や、ダイエット効果があるとされています。
カフェインが含まれる飲食品
ここまでで、「カフェインとは何か?」「カフェインの効果にはどのようなものがあるのか?」といったことを学びましたが、少しは、カフェインについて理解が深まりましたでしょうか?
それでは、本記事の本題である「カフェインが含まれる飲食品」について紹介します。
カフェインが含まれる食材と100㎖・100g中の量は以下となっています。
飲料名 | 100㎖中のカフェイン量 |
---|---|
コーヒー(浸出液・ドリップ) | 60mg |
インスタントコーヒー(顆粒製品) | 57mg |
缶コーヒー・コーヒー飲料 | 10未満-90mg |
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料 | 32~300 mg |
玉露 | 160mg |
せん茶 | 20mg |
ほうじ茶 | 20mg |
玄米茶 | 10mg |
ウーロン茶 | 20mg |
紅茶 | 30mg |
抹茶 | 48 mg |
ココア | 7mg |
食品名 | 100g中のカフェイン量 |
---|---|
ミルクチョコレート | 25-35mg |
ハイカカオチョコレート | 70-120mg |
意外とカフェインが含まれる飲食品って多いんですね💦
というか、玉露はコーヒーよりもカフェイン含有量が多いし、エナジードリンクも物によっては、玉露以上にカフェインが含まれているんですね💦
そうなんです。
なので、最近はエナジードリンクを飲む人も多いと言いますが、1日に何本も飲んでいる人は気を付けた方が良いでしょう。
カフェインの一日の適切な摂取量と副作用
ちなみに、一般的なカフェインの1日の適切な摂取量は400mgと言われています。
なので、エナジードリンクなら物によっては、1本で1日の適切な摂取量の75%を摂取することになります。
ただ、1日の適切な摂取量は、人によって上下します。
人によっては、400mgを摂取してもなんともない人もいます。
自分自身が大丈夫な人だったとしても、過信は気をつけましょう。
また、稀有な例ではありますが、カフェインの取り過ぎで亡くなることもあります。
そうでなくても、カフェインの過剰摂取によって不眠症状だけでなく以下のような副作用が出ることもあります。
- 心拍数の上昇
- 不眠症
- 不安
- 興奮
- 発汗
- 頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 筋肉の震え
- けいれん
- 意識混濁
上記のような副作用を起こさないためにも、カフェインの過剰摂取となるような摂取の取り方は控えましょう。
睡眠の質に影響を与えないカフェインの摂取の方法
カフェインの過剰摂取って怖いですね💦
ちなみに、睡眠の質に影響を与えないカフェインの摂取方法ってあるんですか?
あります!
カフェインの摂取方法としては摂取する時間に気を付けるとよいでしょう。
本睡眠前に摂取するのは避けた方が良いのはもちろんです。
そして、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲みたいのであれば、可能な限り本睡眠前の7時間前までに飲むようにしましょう。
というのも、カフェインの半減期は人によりますが3~7時間となっています。
は、半減期って何ですか・・・
半減期とは?
ある物質が半分に減るまでにかかる時間のことを言います。
具体的には、ある時間帯での物質の濃度がXであった場合、その物質の半減期がTであれば、T時間後には濃度がX/2になるという意味です。
また、半減期は、ざっくりとした説明にはなっていしまいますが、効果の持続時間とも言えます。(半減期≒効果の持続時間)
なので、(飲む量などにもよりますが)カフェインが本睡眠の質に影響を与えないレベルになるには、7時間くらいの時間を置いた方が良いとも言えます。
ただ、これも体質によりけりという所があり、人によっては、半減期が10時間という人もいます。
なので、一般論としては、カフェインの摂取は本睡眠の7時間前までですが、もしかしたらという場合も考えて、お昼までしておくというのが無難でしょう。
また、お昼までにしておくのであれば、お昼の仮眠(お昼寝)前に飲むのがオススメです。
というのも、カフェインの効果は、摂取してから30分程度でその効果が表れます。
なので、カフェインを飲んでから仮眠をとると、仮眠終了後くらいからカフェインの覚醒効果が発揮されることとなるからです。
そして、そうすることで、結果的に午後からの業務の生産性などが向上することになります。
まとめ・復習
最後に記事のまとめ・復習です。
今回は
- そもそもカフェインとは?
- カフェインが含まれる飲食品
- カフェインの一日の適切な摂取量と副作用
- 睡眠の質に影響を与えないカフェインの摂取の方法
について解説させていただきました。
「そもそもカフェインとは?」では、「カフェイン=食品成分」であることに加えて、4つの作用があることを学びました。
その4つの作用とは
- 覚醒作用・興奮作用
- 解熱鎮痛作用
- 強心作用
- 利尿作用
上記の4つでした。
①の作用は、カフェインの中でも最も有名な作用で、その作用が起こるのは、カフェインが睡眠物質である⑤アデノシン と似た構造をしているため、⑤よりも優先的に⑤受容体に結合して、眠気をブロックしてしまうからでした。
②の作用は、カフェインが中枢神経系に作用し、神経伝達物質の放出を促進することで痛みを和らげる効果がありました。また、完全には解明はされていないものの、カフェインが⑤受容体に結合することで、⑤による体温上昇を抑制する効果があるから②の作用があるとされていることでした。
③の作用は、カフェインを摂取することで「心拍数の増加」や「心筋の収縮力の増強」「血流量の増加」といったことが要因でした。
最後の④は、詳細な仕組みは、生理学や薬理学に譲りますが、要約すると以下となることを学びました。
- カフェインが血管を拡張
- ろ過するものが増える
- 水分の再吸収が抑制(再吸収されない=尿となる)
- 透過量が増す=血液から尿への物質移動が促進され、尿量が増える
続いて、「カフェインが含まれる飲食品」では、カフェインが含まれる飲食料と、100㎖・100g中のカフェイン量について学びました。
学んだ飲食料の中でも、よく知られているのは、コーヒーでしたが、100㎖中のカフェイン含有量が最も多かったのは、モノによりますが⑥エナジードリンクでした。
続いて「カフェインの一日の適切な摂取量と副作用」では、1日の適切な摂取量と過剰摂取になるとどのような症状が体に現れるのかについて学びました。
一般的なカフェインの1日の適切な摂取量は⑦400mg でそれ以上のカフェインを摂取をすると不眠症だけでなく、以下のような症状起こる起きることも学びました。
- 心拍数の上昇
- 不眠症
- 不安
- 興奮
- 発汗
- 頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 筋肉の震え
- けいれん
- 意識混濁
最後の「睡眠の質に影響を与えないカフェインの摂取の方法」では、まずカフェインの摂取する時間に気を付けることを学びました。
カフェインを摂取するなら、一般的には本睡眠前の7時間前に摂取すると良いということでした。
ただ、体質によるところがあるので、筆者としては、お昼までにしておくのが無難としていました。
また、カフェインを摂取するのをお昼までにしておくのであれば、お昼の仮眠(お昼寝)前に飲むのがオススメでしたね。
理由は、カフェインの覚醒効果は、摂取してから30分程度でその効果が表れるからでした。
カフェインの覚醒効果によって、午後から生産的に業務を行えるといった理由からでした。
カフェインは摂取するタイミングによっては、睡眠にとてもデメリットに働いてしまいます。
一方で、昼寝前に飲むとメリットにもなります。
もちろん、アレルギーや過剰摂取によって体調を崩してしまうこともありますので、それらも考慮しながら、利用するようにしましょう。
以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
記事を読んで頂いた皆さんの睡眠の質がより良いモノとなれば、筆者としても嬉しいです。
記事が「良いね」と思った方は、人に紹介していただけたら嬉しいです!
これからも、皆さんのお役に立てるよう精一杯記事を書かせていただきます。
今後とも、よろしくお願いします!
「記事の執筆者の紹介」→プロフィール
参考情報、書籍
- Wikipedia「カフェイン」
- 食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」
- 食Do!「覚醒作用でお馴染みのカフェインってどんな成分?」
- NCNP病院「カフェインと睡眠」
- いわき中央クリニック「カフェインの脳興奮作用」
- EPARK「【薬剤師が解説】無水カフェインとはどんな作用・副作用がある?成分が同じ市販薬を紹介」
- DRUGユタカ ゆたか倶楽部「カフェインについて」
- 健達ねっと「カフェインの摂りすぎによる症状とは?摂取目安や注意点も紹介!」
- ナガハマコーヒー「カフェインについて」
- 糖尿病ネットワーク「コーヒーが糖尿病リスクを低下 コーヒーを飲むと血流が増加」
- 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
コメント