突然ですが、あなたは、夜の何時間くらい睡眠とっていますか?
平日なら、仕事が忙しくて6時間くらいかな・・・
スマホで動画見てるうちに、間寝落ちしてることが多いから、5時間くらいかな
毎日、しっかり眠れていて、8時間くらいです!
というように睡眠時間はさまざまかと思います。
ちなみに、日本人の平均睡眠時間は、2020年に行われたNHKの「国民生活時間調査」によると国民全体で7時間12分とのことでした。
しかし、令和元年に行われた厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告」によると、成人男女ともに睡眠時間が6時間未満の人は約4割もいるとのことです。
ちなみに、睡眠時間6時間未満の人のことを「ショート・スリーパー」と言います。
そして、このショートスリーパーは人口当たり1%程度しかいません。
え?
でもさっき、「日本人の成人男女はともに睡眠時間6時間未満が4割もいる」と言ってたよね?
そうなんです。
日本人は、なんと「ショートスリーパー」が4割もいるのです!
という訳ではなく、ただ睡眠時間を削っている人が沢山いるというのが現状です。
そのため、多くの人が、毎日睡眠不足のなか生活しているということになります。
でも、何とか生活できているのだから、大丈夫なんじゃないの?
と思うかもしれませんが、実は睡眠中には、体にとって非常に重要なことが行われています。
今回は、そんな睡眠中に行われる重要な機能を5つご紹介します。
それでは、見ていきましょう!
1.脳と体の休息
睡眠で行われる重要な機能の1つ目は「脳と体の休息」です。
睡眠をとることで「脳と体を休まる」ことは、体感としてご存じかと思います。
十分に睡眠がとれた日の朝は「頭がよく働く」「考えごとがまとまりやすい」といったことは誰しも感じたことがあるかと思います。
それは、脳が十分に休息できているからこそです。
また、「体を休ませる」ことについては、すごいことが体内で起こっています。
というのも、睡眠をとることで、↓の2つの生理現象が起きます。
- 心拍数の低下
- 自律神経のうち交感神経の活動低下
その2つ生理現象が起きるから、何なんだろう・・・?
と思われるかもしれません。
実は、交感神経の活動が低下することで、心臓の働きを弱め、心拍数を低下します。
すると血圧が下がり、その間に傷ついた血管の修復を行うことができるのです。
これは、睡眠中の特にノンレム睡眠中にしかできないことです。
もし、十分な睡眠をとらずにいると、血管を十分に修復できず、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞といった大きな病気にかかるリスクが格段に高くなります。
2.記憶の整理・定着
睡眠で行われる重要な機能の2つ目は、「記憶の整理・定着」です。
「勉強した後にぐっすり眠ると、勉強したことをしっかりと覚えていられる」というのは、なんとなくでも知っている方は多いのではないでしょうか?
その認識は間違っていません。
なぜなら、睡眠には「起きている間に得た情報(学んだこと)を記憶に定着させる」機能があるからです。
記憶の定着には「海馬」という一時記憶保管庫から「大脳皮質」という長期記憶保管庫へ記憶を移動させる作業が必要があります。
特に例えば「今日○○という場所に行った」というようなエピソード(言葉)で説明できる記憶の定着のためには、深いノンレム睡眠が必要です。
なので、何かを勉強している人(学生さんや資格試験の勉強をしている人)は睡眠時間を削ってしまってはいけなのです。
また、勉強には力を入れていないけれども、スポーツや音楽には力を入れているよという人も多くいるかと思います。
そんなスポーツや音楽に力を入れている人も、睡眠は非常に重要です。
というのも、スポーツや音楽など技術や行動を体を使うことで覚えられる記憶(非宣言記憶)の定着にはレム睡眠が関係ているからです。
そのため、プロアスリートは平均して8時間以上も睡眠をとるようにしている方も多くいます。
勉強やスポーツに力を入れているからこそ、より良い成績を残せるようにするためにも、十分な睡眠を得られるようにタイムスケジュールを組むようにしましょう!
3.ホルモンバランスの調整
睡眠で行われる重要な機能の3つ目は、「ホルモンバランスの調整」です。
睡眠をしっかりととることで、食欲を抑制するホルモンである「レプチン」が増加し、食欲増進効果のあるホルモンの「グレリン」が減少します。
逆に睡眠不足になると「レプチン」が減少し、「グレリン」増加します。
つまり、太りやすくなるのです。
なので、ダイエットを成功させるためには、十分な睡眠をとる必要があるのです。
また、睡眠の中でも最も重要と言われる「寝始めからの90分(黄金の90分)」では、「グロースホルモン(成長ホルモン)」がもっとも多く分泌されます。
この成長ホルモンは、子どもの成長には欠かせません。
でも僕は大人だし、成長ホルモンでこれ以上大きくなる見込みもないしねえ・・・
と思うかもしれませんが、成長ホルモンには
- 骨や筋肉を丈夫にする
- 代謝を活発にする
- 臓器を修復・再生する
- (女性の場合)乳腺の発達、(妊娠・授乳期なら)母乳の分泌を促進
といった働きがあります。
そのため、男性で筋トレをしている方は、筋肥大のためにも、睡眠を十分にとる必要があります。
また、臓器の修復・再生という効果があることから、毎日健康に過ごすためにも、十分な睡眠をとるように心がけましょう!
※なお、『「黄金の90分」についてもう少し知りたいな』と思った方は、『【睡眠】最高の睡眠 「黄金の90分」を手に入れるための方法4選』という記事もオススメです!
4.免疫力のアップ
睡眠で行われる重要な機能の4つ目は、「免疫力のアップ」です。
ぐっすり眠れた日の翌日は、体調が良いことが多くありませんか?
それは、睡眠による「免疫力アップ」効果によるものです。
睡眠をしっかりとることで、睡眠全体の質が向上し、ホルモンバランスが整うことで、免疫力アップの効果を得ることができます。
一方で、睡眠をしっかりとれず、睡眠の質が向上しなかった場合、免疫力がアップ効果を得られにくく、病気にかかるリスクが増えます。
その他にも、インフルエンザワクチン接種や、コロナウイルスのワクチン接種などのワクチン接種による免疫獲得にも影響があります。
というのも、睡眠が乱れていると免疫が確立されず、結果的にワクチンを接種しても、本来の効果を得られない場合も出てきます。
そのため、何らかのワクチン接種をした日の夜は、免疫確立のためにも十分な睡眠がとれるように工夫してみましょう!
5.脳の老廃物を除去する
睡眠で行われる重要な機能の5つ目は、「脳の老廃物を除去する」です。
脳は直接頭蓋骨に収まっているわけではありません。
脳と頭蓋骨の間には、「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という保護液があります。
「脳脊髄液」があることで、転んだときに脳が頭蓋骨に接触して傷ついてしまうことを防いでいます。
そして、「脳脊髄液」は常に新しいモノに入れ替わっており、この「脳脊髄液」の入れ替わりが脳にとって非常に重要な機能となっています。
というのも、古い「脳脊髄液」が新しいものに替わるときに、脳の老廃物も一緒に除去されるからです。
この「脳の老廃物」には、アルツハイマー型認知症の原因と言われている「アミロイドβ(あみろいどべーた)」というタンパク質も含まれています。
<アルツハイマー型認知症とは>
アルツハイマー型認知症とは、脳の神経細胞が通常よりも早く減ってしまうことで認知機能が徐々に低下していく病気です。“アルツハイマー病”とも呼ばれます。
メディカルノート「アルツハイマー型認知症」より
睡眠が十分にとれていないと、この「アミロイドβ」を含む脳の老廃物が十分に排出されません。
そのため、年を重ねたときにアルツハイマー型認知症などの病気を発症してしまう可能性が格段に高くなります。
まとめ
今回は、「睡眠中に行われる重要な生理現象5選」について紹介しました。
その5つの生理現象とは
「1.脳と体の休息」では、睡眠によって脳だけでなく、血管を含めた体の休息ができることや、十分な睡眠をとっていないと、心筋梗塞などの大きな病気になる可能性が格段に高まることを紹介しました。
「2.記憶の整理・定着」では、勉強だけでなくスポーツに大きな影響を与えており、十分な睡眠をとることで、より良い成績をおさめられることを紹介しました。
「3.ホルモンバランスの調整」では、睡眠が子ども成長だけでなく、大人においても、筋肥大や美容に影響していることを紹介しました。
「4.免疫力のアップ」では、睡眠を十分にとることで免疫力アップが得られ、逆に睡眠を十分にとらないことで、各種ワクチン接種の効果が得られなくなる可能性を紹介しました。
「5.脳の老廃物を除去する」では、睡眠によって脳の保護液の交換と同時に老廃物も除去していることや、脳の老廃物が十分に除去されないとアルツハイマー型認知症などの病気になってしまうことを紹介しました。
「睡眠」は軽視されがちな生活習慣です。
一方で、「睡眠」は健康や能力向上等において、最も重要な生活習慣でもあります。
なので、普段の生活習慣も「睡眠」を中心に組み立てるよう変えてみてはいかがでしょうか。
以上となります。
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